令和元年度 済生会松阪総合病院 病院指標

  1. 年齢階級別退院患者数
  2. 診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  3. 初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数
  4. 成人市中肺炎の重症度別患者数等
  5. 脳梗塞の患者数等
  6. 診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  7. その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)
年齢階級別退院患者数ファイルをダウンロード
年齢区分 0~ 10~ 20~ 30~ 40~ 50~ 60~ 70~ 80~ 90~
患者数 106 51 222 465 584 665 1212 1933 1770 576
令和元年度に当院で退院した患者さんを10歳刻みで集計したデータです。
退院患者数は、前年度に比べ13人の増加となっています。平成30年1月より新生児集中治療室(NICU)を開設し、低体重・早産児での新生児入院も増加し、周産期医療の需要も多くなっています。全体でみると70歳・80歳代が最も多い年齢層となっており、前年度に比べ、70歳以上の退院患者数は71人増加し、全体の約56%を占めます。その割合は増加傾向となっており、将来推計人口においても、当地域は高齢化率が今後も進んでいくことが推測されています。
当院は、新生児から高齢者まで幅広い疾患に対して質の高い医療を提供する地域医療支援病院です。また、二次救急医療機関として、松阪地区、大台地区、多気地区からの多くの救急車の受け入れも行っており、地域住民、地域医療機関と密着した医療の提供に努めています。
診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード
内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
040081xx99x00x 誤嚥性肺炎 なし 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 206 24.23 20.84 12.62 84.85
060100xx01xx0x 小腸大腸の良性疾患(良性腫瘍を含む。) 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術 定義副傷病なし 200 2.4 2.63 0.00 66.11
110310xx99xx0x 腎臓または尿路の感染症 なし 定義副傷病なし 150 15.51 12.58 6.00 77.67
050130xx99000x 心不全 なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 139 23.51 17.71 7.91 83.64
050050xx99100x 狭心症、慢性虚血性心疾患 なし 手術・処置等11あり 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 95 3.15 3.01 1.05 71.29
内科では、誤嚥性肺炎が最も多くなっています。嚥下困難な方が誤嚥を起こし発症されます。そのため多くの患者さんは80歳以上の超高齢者が多く、重症化、再発・再燃を繰り返すこともあり、在院日数も最も長くなっています。
2番目は大腸ポリープです。大腸内視鏡によるポリープ切除(ポリペク)が施行され、在院日数についてはほとんどの患者さんは1泊2日の短期入院となります。
3番目は尿路感染症で、なかでも腎盂腎炎が多くを占めており、悪化すると敗血症になる可能性があります。
4番目は心不全です。増悪を繰り返し再入院となる患者さんが多く、平均在院日数・平均年齢は誤嚥性肺炎に次いで2番目ですが、大きな差はなく、誤嚥性肺炎と併発されることも多々あります。
5番目には狭心症、陳旧性心筋梗塞などの虚血性心疾患で、PCI治療(冠動脈拡張)、心臓カテーテル検査の短期入院が多くを占めています。
外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060160x001xxxx 鼠径ヘルニア(15歳以上) ヘルニア手術 鼠径ヘルニア等 178 4.6 4.85 0.00 68.96
060035xx0101xx 結腸(虫垂を含む。)の悪性腫瘍 結腸切除術 全切除、亜全切除又は悪性腫瘍手術等 手術・処置等1なし 手術・処置等21あり 44 18.75 30.29 0.00 69.7
060335xx02000x 胆嚢水腫、胆嚢炎等 腹腔鏡下胆嚢摘出術等 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 41 6.37 7.13 0.00 61.54
060150xx03xxxx 虫垂炎 虫垂切除術 虫垂周囲膿瘍を伴わないもの等 32 4.22 5.45 0.00 41.13
060040xx99x60x 直腸肛門(直腸S状部から肛門)の悪性腫瘍 なし 手術・処置等26あり 定義副傷病なし 29 4.03 4.36 0.00 78.83
外科では、消化器外科、肛門外来、一般外科を担当しており、多い症例はヘルニア疾患、胆嚢炎・胆嚢結石、痔核、結腸・胃の悪性腫瘍となっています。
平成28年5月に腹腔鏡手術・ヘルニアセンターを開設し、年間178例の腹腔鏡ヘルニア手術を行っています。肛門外来では多くの痔核疾患症例があり、特に手術時間も短く痛みも少ないといった患者さんへの負担が少ないALTA療法手術症例も増加しています。
また、地域がん診療連携病院として、がん連携パスを使用し地域の開業医とも連携した診療を行っています。これに加えPET-CTを行い、進行度診断や再発の診断に役立てています。
産婦人科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
120230xx02xxxx 子宮の非炎症性障害 子宮鏡下子宮中隔切除術、子宮内腔癒着切除術(癒着剥離術を含む。)等 65 1.18 2.42 0.00 51.46
120140xxxxxxxx 流産 63 1.78 2.51 0.00 35.98
120180xx01xxxx 胎児及び胎児付属物の異常 子宮全摘術等 51 9.31 9.66 0.00 34.39
120060xx01xxxx 子宮の良性腫瘍 子宮全摘術等 40 7.9 9.71 0.00 45.33
12002xxx02x0xx 子宮頸・体部の悪性腫瘍 子宮頸部(腟部)切除術等 手術・処置等2なし 39 3.13 3.13 0.00 44.41
当院は、周産期等を含む産婦人科全般における診療と、不妊治療(ART生殖医療センター)を行っています。
婦人科疾患では卵巣がん、子宮頚がんなどの悪性疾患も増えており、手術療法や、化学療法を行っています。また子宮内膜増殖症・子宮体がんを疑い、日帰りでの子宮内膜搔爬術を多く行っています。その他に子宮筋腫の患者さんも増えてきています。
周産期医療では、平成30年1月よりNICUが開設し、ハイリスクな妊婦さんも増えており、帝王切開手術も多く行っています。
整形外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
160800xx01xxxx 股関節・大腿近位の骨折 人工骨頭挿入術 肩、股等 115 33.84 25.94 66.96 83.44
070343xx99x1xx 脊柱管狭窄(脊椎症を含む。) 腰部骨盤、不安定椎 なし 手術・処置等21あり 75 2 2.73 0.00 70.08
07040xxx01xxxx 股関節骨頭壊死、股関節症(変形性を含む。) 人工関節再置換術等 57 27.35 21.53 15.79 70.18
070230xx01xxxx 膝関節症(変形性を含む。) 人工関節再置換術等 55 26.25 23.56 27.27 73.91
160760xx97xxxx 前腕の骨折 あり 45 5.02 5.54 2.22 63.07
令和元年度は、大腿骨近位部骨折が一番多い症例となっています。手術を行い早期のリハビリを開始しています。大腿骨地域連携パスを使用し、回復期病院と連携しリハビリ等を進めています。スムーズな転院につとめて在院日数を短縮しています。
2番目は、腰部・脊椎症疾患です。脊椎センターもあり、脊椎疾患の専門的治療に取り組んでいます。
3番目は、変形性関節症疾患です。人工関節置換術、薬剤治療、リハビリなど積極的に行い、日常生活改善に取り組んでいます。
泌尿器科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
11012xxx040x0x 上部尿路疾患 体外衝撃波腎・尿管結石破砕術(一連につき) 手術・処置等1なし 定義副傷病なし 113 2.06 2.64 0.00 58.9
110080xx991x0x 前立腺の悪性腫瘍 なし 手術・処置等1あり 定義副傷病なし 94 2.45 2.49 0.00 71.12
110070xx0200xx 膀胱腫瘍 膀胱悪性腫瘍手術 経尿道的手術 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 45 7.71 7.07 0.00 73.38
110310xx99xx0x 腎臓または尿路の感染症 なし 定義副傷病なし 36 11.72 12.58 11.11 75.56
110310xx01xx0x 腎臓または尿路の感染症 経皮的腎(腎盂)瘻造設術等 定義副傷病なし 28 19.89 14.40 3.57 76.21
泌尿器科で多い症例は、上部尿路疾患となっています。尿管結石、腎結石の症例に対して1泊2日で体外衝撃波腎・尿管結石破砕術を行い、早期退院に努めています。また内視鏡による結石治療も行っています。
次に、前立腺生検入院となっています。1泊2日入院が中心で早期退院となります。
3番目に、膀胱がんに対する治療入院が続きます。中でも経尿道的手術が一番多くを占めますが、進行がんに対し膀胱全摘出術も行っています。
他に、尿路感染症に対する治療が多くなっています。抗生剤治療、尿管ステント留置などの治療を行っています。
また腎腫瘍に対する腎摘出術や前立腺全摘出術などの治療を行っています。
眼科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
020110xx97xxx0 白内障、水晶体の疾患 あり 重症度等片眼 318 2.14 2.78 0.00 76.07
020200xx9710xx 黄斑、後極変性 あり 手術・処置等1あり 手術・処置等2なし 36 3.58 6.71 0.00 69.36
020180xx97x0x0 糖尿病性増殖性網膜症 あり 手術・処置等2なし 重症度等片眼 14 3.36 7.29 0.00 65.14
020240xx97xxx0 硝子体疾患 あり 重症度等片眼 - - 5.95 - -
020160xx97xxx0 網膜剥離 あり 重症度等片眼 - - 9.33 - -
眼科では白内障、角結膜疾患、屈折異常、緑内障などの一般診療を行っています。
入院は全て手術目的です。最も多いのは白内障治療で、年間318件の手術を行っています。特に難症例の白内障手術や硝子体手術、眼瞼手術については、専門の医師による手術を行っています。
最近、白内障における水晶体手術は外来での日帰り手術も行っており、入院でも白内障は1泊2日、硝子体疾患は3泊4日での手術が一般的となり、在院日数が短縮しています。糖尿病性網膜症疾患に対する硝子体手術も増加しており、年間75件施行しています。
脳神経外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
160100xx97x00x 頭蓋・頭蓋内損傷 その他の手術あり 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 45 12.49 9.67 13.33 74.91
010040x099000x 非外傷性頭蓋内血腫(非外傷性硬膜下血腫以外)(JCS10未満) なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 24 26.92 18.81 54.17 71.17
010200xx99x00x 水頭症 なし 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 22 2 6.93 0.00 78.05
160100xx99x00x 頭蓋・頭蓋内損傷 なし 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 19 14 7.34 21.05 73.21
010060x2990201 脳梗塞(脳卒中発症3日目以内、かつ、JCS10未満) なし 手術・処置等1なし 手術・処置等22あり 定義副傷病なし 重症度等発症前Rankin Scale 0、1又は2 14 22.07 16.16 35.71 79.07
脳神経外科では、主に脳卒中(脳梗塞・脳出血・くも膜下出血)、脳腫瘍、頭部外傷(急性硬膜下血腫・外傷性くも膜下出血)、外傷後の慢性硬膜下血腫、脳動脈瘤、脳腫瘍などに対する外科的治療、保存的治療を行っております。
当院ではSCU(脳卒中ケアユニット)を有しており、早期治療が求められる脳卒中患者に対して、24時間体制で対応を行っており、専任リハビリ従事者を配置することにより早期リハビリ介入も行っています。
上位を占める脳梗塞や頭部外傷に次ぎ、脳卒中に発展する可能性のある脳動脈瘤や内頚動脈狭窄に対する血管内治療(血管塞栓術、ステント留置術)や開頭手術、日常生活に支障をきたす脊椎・脊髄疾患(頚椎症、ヘルニア、後縦靭帯骨化症等)、水頭症の診断及び手術加療にも力を入れています。
神経内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
010060x2990401 脳梗塞(脳卒中発症3日目以内、かつ、JCS10未満) なし 手術・処置等1なし 手術・処置等24あり 定義副傷病なし 重症度等発症前Rankin Scale 0、1又は2 29 21.66 16.13 44.83 74.55
010230xx99x00x てんかん なし 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 22 7.73 7.10 4.55 77.91
010040x099000x 非外傷性頭蓋内血腫(非外傷性硬膜下血腫以外)(JCS10未満) なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 14 27.36 18.81 71.43 77.07
010060x2990201 脳梗塞(脳卒中発症3日目以内、かつ、JCS10未満) なし 手術・処置等1なし 手術・処置等22あり 定義副傷病なし 重症度等発症前Rankin Scale 0、1又は2 14 15.64 16.16 14.29 73.43
010060x2990211 脳梗塞(脳卒中発症3日目以内、かつ、JCS10未満) なし 手術・処置等1なし 手術・処置等22あり 定義副傷病1あり 重症度等発症前Rankin Scale 0、1又は2 10 19.6 18.54 60.00 81.4
神経内科では、脳・神経・筋肉などの領域の病気に対し内科的な加療を行います。神経症状には多彩なものが多く、各診療科と連携し病気の原因を特定し治療を行います。
当院は県内でも最大の面積を含む医療圏に属しており、地域の中核病院として、SCU(脳卒中ケアユニット)にて、緊急性の高い脳卒中(脳梗塞・脳出血)患者に対し、脳神経外科と連携し24時間体制で対応を行っています。
また、長期臥床による筋力の低下、療養生活の質の低下を防ぐため、また、在宅・回復期病院へスムーズな移行を目指し、早期リハビリテーションを行っています。
乳腺外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
090010xx01x0xx 乳房の悪性腫瘍 乳腺悪性腫瘍手術 乳房部分切除術(腋窩部郭清を伴うもの(内視鏡下によるものを含む。))等 手術・処置等2なし 73 9.42 10.34 0.00 63.16
090010xx02x0xx 乳房の悪性腫瘍 乳腺悪性腫瘍手術 乳房部分切除術(腋窩部郭清を伴わないもの) 手術・処置等2なし 38 6.16 6.10 0.00 57.87
090010xx99x2xx 乳房の悪性腫瘍 なし 手術・処置等22あり - - 29.20 - -
090010xx99x4xx 乳房の悪性腫瘍 なし 手術・処置等24あり - - 4.25 - -
090010xx04xxxx 乳房の悪性腫瘍 組織拡張器による再建手術(一連につき) 乳房(再建手術)の場合等 - - 8.03 - -
平成29年4月より乳腺外科を開設しました。入院では、乳がんの手術療法を中心に行っています。がんの進行・浸潤により部分切除、全切除、リンパ節郭清など切除範囲が異なります。リンパ節郭清後はリハビリを行っています。また40代、50代の乳がん患者さんも多く、組織拡張器・皮弁・人口乳房などによる再建術も行っています。
小児科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
140010x199x00x 妊娠期間短縮、低出産体重に関連する障害(出生時体重2500g以上) なし 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 46 7.87 6.17 0.00 0
140010x299x0xx 妊娠期間短縮、低出産体重に関連する障害(出生時体重1500g以上2500g未満) なし 手術・処置等2なし 10 8.6 11.16 0.00 0
140010x299x2xx 妊娠期間短縮、低出産体重に関連する障害(出生時体重1500g以上2500g未満) なし 手術・処置等22あり - - 27.74 - -
140010x299x1xx 妊娠期間短縮、低出産体重に関連する障害(出生時体重1500g以上2500g未満) なし 手術・処置等21あり - - 22.05 - -
14029xxx9900xx 動脈管開存症、心房中隔欠損症 なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし - - 4.81 - -
平成30年1月のNICU開設に伴い、当院では通常の出産だけではなく、帝王切開や低出生体重児、早産児なども産婦人科が入院管理しています。小児科では一般診療と、新生児の退院前診察を行っています。
皮膚科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
080007xx010xxx 皮膚の良性新生物 皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部)等 手術・処置等1なし 10 3.9 4.01 0.00 52.7
080006xx01x0xx 皮膚の悪性腫瘍(黒色腫以外) 皮膚悪性腫瘍切除術等 手術・処置等2なし - - 7.90 - -
080007xx97xxxx 皮膚の良性新生物 その他の手術あり - - 5.94 - -
03001xxx0110xx 頭頸部悪性腫瘍 頸部悪性腫瘍手術等 手術・処置等1あり 手術・処置等2なし - - 27.04 - -
070010xx010x0x 骨軟部の良性腫瘍(脊椎脊髄を除く。) 四肢・躯幹軟部腫瘍摘出術等 手術・処置等1なし 定義副傷病なし - - 5.41 - -
皮膚科では、平成31年1月より主に手術患者に対する入院診療を行っております。
主な症例は、脂肪腫、有棘細胞癌、基底細胞癌、Bowen病、エクリン汗孔腫などです。
全体の平均在院日数は6.7日、悪性疾患平均在院日数は9.6日と比較的短い入院期間となっています。
初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数ファイルをダウンロード
初発 再発 病期分類
基準(※)
版数
Stage I Stage II Stage III Stage IV 不明
胃癌 54 12 31 47 - 1 8
大腸癌 27 81 51 43 36 1 8
乳癌 59 43 10 1 8
肺癌 1 8
肝癌 12 12 1 8
※ 1:UICC TNM分類,2:癌取扱い規約
胃がん、大腸がんは、早期のがんに対して内視鏡的治療を行っており、stageⅠ期の患者さんが増加傾向です。
胃がん、大腸がんのstageⅡ・Ⅲは、化学療法などを行っています。
乳がんは、年々がん検診を受ける患者さんが多くなり、早期に発見されることが増えてきています。
肝がんは、内科的治療を行っています。
当院では、外科的治療や化学療法、放射線療法を行っており、患者さんの状態に合わせ最適な医療を受けていただけるよう努めています。
また、緩和医療もあり各種がんの疼痛緩和にも努めています。
成人市中肺炎の重症度別患者数等ファイルをダウンロード
患者数 平均
在院日数
平均年齢
軽症 27 7.67 52.7
中等症 91 13.66 80.49
重症 21 25.33 82.57
超重症 11 28.64 84.64
不明
当院で入院される患者さんの中で最も多い疾患は、誤嚥性肺炎です。肺炎は他にも市中肺炎、院内肺炎があります。市中肺炎とは病院や介護保険施設入居者を除く、病院外で日常生活を送っている方が発症する肺炎です。また、ウイルス性肺炎は含まれていません。
市中肺炎の超重症化の平均年齢は84歳となっており、患者さんの年齢が高くなるに伴い、罹患率や重症化の割合も高くなります。また、入院日数も重症化するにつれ長引く傾向にあります。市中肺炎の重症度別患者数では、割合が多い順に、中等症約60%、軽症18%、重症14%、超重症約7%となっており、重症化の割合は全体の約2割となっています。肺炎に罹患しないためにも、肺炎球菌ワクチンの接種をするなどの予防に努めることがとても大切だといえます。
脳梗塞の患者数等ファイルをダウンロード
発症日から 患者数 平均在院日数 平均年齢 転院率
3日以内 177 26.14 78.25 40.11
その他 16 20.31 78.25 43.75
脳梗塞入院は、発症して早期に入院される患者さんがほとんどで、発症3日以内の急性期脳梗塞が約90%を占めており、年齢も平均78歳となっています。当院ではSCU(脳卒中ケアユニット)を有しており、早期治療が求められる脳卒中患者に対して、脳神経外科・脳神経内科医師による24時間体制で対応を行っています。また、専任のリハビリ従事者を配置しており、リハビリの早期介入を行える体制を整備しています。
当院で脳梗塞の急性期治療を行った後、早期に回復期リハビリテーションへ転院し、在宅復帰を目指す患者さんが多くなっています。
診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード
内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K7211 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(長径2cm未満) 200 0.55 1.45 0.00 66.86
K688 内視鏡的胆道ステント留置術 50 2.26 14.54 4.00 79.64
K6113 抗悪性腫瘍剤静脈内持続注入用植込型カテーテル設置(頭頸部その他) 49 3.82 27 2.04 69.78
K6871 内視鏡的乳頭切開術(乳頭括約筋切開のみ) 46 3.83 9.41 0.00 73.43
K664 胃瘻造設術(経皮的内視鏡下胃瘻造設術、腹腔鏡下胃瘻造設術を含む) 45 23.51 19.09 37.78 75.64
当院で最も多く行われている手術は、内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術で、大腸ポリープや大腸腫瘍の切除に対して行われます。多くの方は1泊2日(入院当日に手術を行い翌日退院)の入院で、麻酔の必要もなく、身体への負担やストレスが少なくて済みます。
2番目は、内視鏡的胆道ステント留置術で、胆管や膵臓の疾患により胆管が狭窄し黄疸を来たした状態を改善するため内視鏡を挿入し、胆管の狭窄部に管を留置し、胆汁の排出や胆管結石の排石目的に行われます。
3番目は、抗悪性腫瘍剤静脈内持続注入用植込型カテーテル設置で、化学療法を実施する機会が多い方に抗がん剤を効率的に投与することにより、強力な効果が期待でき全身への影響を少なくします。
4番目は、内視鏡的乳頭切開術で、内視鏡にて十二指腸乳頭を切開し結石を取り除く手術です。
5番目は、胃瘻造設術で、経口摂取が困難な方、誤嚥性肺炎の恐れが高い方などに対して行われます。施設入所されている方が紹介され施行されるケースがあります。
当院は消化器医師が充実しており、消化器系の手術の割合も高くなっています。
外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K634 腹腔鏡下鼠径ヘルニア手術(両側) 182 1.25 2.22 0.00 66.57
K672-2 腹腔鏡下胆嚢摘出術 53 2.96 4.32 0.00 61.74
K718-21 腹腔鏡下虫垂切除術(虫垂周囲膿瘍を伴わないもの) 32 0.19 3.03 0.00 41.13
K719-3 腹腔鏡下結腸悪性腫瘍切除術 32 3.72 12.97 0.00 69.06
K718-22 腹腔鏡下虫垂切除術(虫垂周囲膿瘍を伴うもの) 20 0.25 8.7 0.00 61.15
大腸・胃悪性腫瘍手術では、積極的に腹腔鏡手術を行っています。
胆嚢結石・結石性胆嚢炎、ヘルニア疾患などは腹腔鏡手術が大半を占めており、在院日数が短縮とされています。
また、腹腔鏡手術ヘルニアセンターを開設し、腹腔鏡による鼡径ヘルニア手術を積極的に行っています。手術件数は全件で178件、うち開腹手術が2件、腹腔鏡手術が176件となっており、鼡径ヘルニア手術入院は、現在手術件数第1位となっています。
整形外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K0821 人工関節置換術(膝) 116 1.17 24.66 22.41 72.29
K0461 骨折観血的手術(大腿) 94 3.05 26.72 56.38 82.4
K0462 骨折観血的手術(前腕) 56 1.39 13.43 14.29 65.86
K1425 脊椎固定術、椎弓切除術、椎弓形成術(椎弓切除) 46 3.59 18.74 13.04 69.54
K134-22 内視鏡下椎間板摘出(切除)術(後方摘出術) 44 2.3 5.27 0.00 43.82
大腿骨骨折に対する骨折観血的手術や人工骨頭挿入術が1番多く、早期リハビリを行い、地域連携バスを活用して円滑な転院を進め、病院間での早期回復に努めています。
次に人工関節置換術(肩、股、膝)が多くを占めています。変形性股関節症、変形性膝関節症に対する手術治療、リハビリを積極的に行い、QOLの向上、早期の社会復帰ができるよう取り組んでいます。
3番目は脊椎手術が多く、脊椎固定や椎弓切除などを行い、術後も早期の退院に努めています。
産婦人科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K861 子宮内膜掻爬術 87 0.1 0.23 0.00 51.55
K9091ロ 流産手術(妊娠11週まで) 62 1.02 0.06 0.00 36.21
K877 子宮全摘術 55 1.11 6.76 0.00 51.98
K8982 帝王切開術(選択帝王切開) 52 4.06 6.9 0.00 35.35
K8981 帝王切開術(緊急帝王切開) 48 3.38 7.1 0.00 31.88
最も多い子宮内膜掻爬術は、子宮内膜増殖症、子宮内膜ポリープ、子宮体がん疑いに対して日帰りで行っています。
次に子宮筋腫、子宮腺筋症、また、子宮体がん、子宮頚がん、卵巣がんなどの悪性腫瘍に対して子宮全摘術を多く行っています。
周産期医療では前回帝王切開・骨盤位などの予定された帝王切開術、また血圧上昇・胎児の心音低下や、NICU開設(平成30年1月)により他院からの母体搬送も増えており、緊急での帝王切開術も多く行っています。
当院は不妊治療も行っており、流産疾患の方も多く、稽留流産に対しては日帰りで流産手術を行っています。
眼科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K2821ロ 水晶体再建術(眼内レンズを挿入する場合)(その他) 317 0.12 1 0.00 76.08
K2801 硝子体茎顕微鏡下離断術(網膜付着組織を含む) 67 0.28 2.6 0.00 68.07
K2802 硝子体茎顕微鏡下離断術(その他) - - - - -
K275 網膜復位術 - - - - -
K2682 緑内障手術(流出路再建術) - - - - -
最も多い白内障における水晶体再建術は、外来手術も行っていますが、入院当日に手術を行い、翌日退院の1泊2日入院が一般的となっています。
白内障治療目的での入院は、年間318件、外来手術11件と年間329件の手術を行っています。
また、糖尿病網膜症、網膜前膜疾患等に対する硝子体茎顕微鏡下手術も3泊4日入院が一般的で、年間75件と増えてきています。
泌尿器科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K768 体外衝撃波腎・尿管結石破砕術 113 0.05 1.01 0.00 58.9
K8036イ 膀胱悪性腫瘍手術(経尿道的手術)(電解質溶液利用) 48 2.02 4.38 0.00 73.54
K783-2 経尿道的尿管ステント留置術 28 1.54 14.71 3.57 74.86
K8411 経尿道的前立腺手術(電解質溶液利用) 15 4.13 10.27 0.00 74.53
K775 経皮的腎(腎盂)瘻造設術 - - - - -
尿管結石、腎結石に対する体外衝撃波腎・尿管結石破砕術が最も多く、1泊2日入院となっています。また結石に対し経尿道的尿路結石除去術も行います。
2番目に、膀胱癌に対する経尿道的手術を多く施行しています。また膀胱全摘出術や、腎・尿管がんに対する全摘出術、腹腔鏡下全摘出手術も行っています。
3番目に、前立腺肥大症に対する経尿道的前立腺手術を行っています。
また急性腎盂腎炎、水腎症等に対して尿管ステント留置術も行っています。
脳神経外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K164-2 慢性硬膜下血腫穿孔洗浄術 44 0.18 11.75 13.64 77.73
K1742 水頭症手術(シャント手術) 18 4.72 20.94 33.33 68.33
K1692 頭蓋内腫瘍摘出術(その他) 12 3.58 41.58 33.33 65.42
K1781 脳血管内手術(1箇所) - - - - -
K609-2 経皮的頸動脈ステント留置術 - - - - -
慢性硬膜下血腫に対する手術件数が最も多く、診断同日に緊急手術を行う症例が殆んどとなっています。患者さんによっては再発しやすい方もおり、状態により再手術やリハビリ等を行うこともあります。
次いで、近年増加傾向にある水頭症に対するシャント造設術、脳動脈瘤の破裂(くも膜下出血)、破裂しうる可能性のある未破裂動脈瘤に対し脳血管内手術、脳腫瘍摘出術を行っています。また、内頚動脈狭窄症に対する頸動脈ステント留置術、緊急で行われる脳動脈の閉塞に対する脳血管形成術を多く行っています。救命目的に行う頭蓋内血腫除去術、また、内頚動脈や脳動脈狭窄、未破裂脳動脈瘤に対しては脳卒中発症・再発の予備軍として積極的に手術加療を行っています。
この他に、脊髄・脊椎疾患(ヘルニア・脊柱管狭窄症など)に対する手術、脳腫瘍に対する栄養血管塞栓術、もやもや病に対する血管バイパス術、手根管症候群に対する手術等も行っています。
乳腺外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K4763 乳腺悪性腫瘍手術(乳房切除術(腋窩部郭清を伴わない)) 48 1 6.67 0.00 67.6
K4762 乳腺悪性腫瘍手術(乳房部分切除術(腋窩部郭清を伴わない)) 34 0.94 4.06 0.00 56.32
K4765 乳腺悪性腫瘍手術(乳房切除術・胸筋切除を併施しない) 16 1 10 0.00 58.94
K476-31 動脈(皮)・筋(皮)弁を用いた乳房再建術(乳房切除後)(一次的) - - - - -
K476-4 ゲル充填人工乳房を用いた乳房再建術(乳房切除後) - - - - -
がんの進行・浸潤によって、部分切除、全切除術、リンパ節郭清術を行っております。リンパ節郭清のリスクを減らすため、センチネルリンパ節生検術を同時に行っています。また、組織拡張器・皮弁・人工乳房による乳房再建術も行っています。
皮膚科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K0072 皮膚悪性腫瘍切除術(単純切除) - - - - -
K0301 四肢・躯幹軟部腫瘍摘出術(躯幹) - - - - -
K0052 皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部)(長径2cm以上4cm未満) - - - - -
K0062 皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部以外)(長径3cm以上6cm未満) - - - - -
K013-21 全層植皮術(25cm2未満) - - - - -
皮膚科では、平成31年1月より主に手術患者に対する入院診療を行っています。
良性疾患では、皮膚皮下腫瘍摘出術、四肢躯幹軟部腫瘍摘出術、悪性疾患では皮膚悪性腫瘍切除術を行っています。手術目的患者の平均在院入院期間3.9日、うち悪性疾患平均入院期間は9.6日となっており、同時に植皮術も行っています。
神経内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K664 胃瘻造設術(経皮的内視鏡下胃瘻造設術、腹腔鏡下胃瘻造設術を含む) - - - - -
K178-4 経皮的脳血栓回収術 - - - - -
K783-2 経尿道的尿管ステント留置術 - - - - -
K1692 頭蓋内腫瘍摘出術(その他) - - - - -
K6153 血管塞栓術(頭部、胸腔、腹腔内血管等)(その他) - - - - -
神経内科では基本的に手術を行うことはありません。脳卒中の後遺症で、入院中に経口摂取が困難になった嚥下障害の方に対し、胃瘻造設・中心静脈注射用カテーテルの植込みを施行しています。外科的手術が必要な場合には脳神経外科や他科と連携し、手術が行えるよう体制構築しています。長期入院や血行障害により合併した下肢静脈血栓症に対しては、内科と連携し手術を行います。
また脳卒中や脊髄疾患などによる症状にて人工呼吸器の長期使用となる方に関しては、人工呼吸器の離脱を目指し気管切開術を行っています。
その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)ファイルをダウンロード
DPC 傷病名 入院契機 症例数 発生率
130100 播種性血管内凝固症候群 同一
異なる - -
180010 敗血症 同一 18 0.36
異なる - -
180035 その他の真菌感染症 同一
異なる
180040 手術・処置等の合併症 同一 24 0.37
異なる - -
播種性血管内凝固は、がんや敗血症など基礎疾患により、過剰な血液凝固反応が生じて臓器不全や凝固異常を起こす疾患です。
敗血症は主に救急患者さんや重篤な患者さんに多く見られます。
令和元年度は、入院後に重症となり敗血症を発症する症例が18件となっています。
手術・処置などの合併症は、最大限に合併症を起こさないように治療に努めていますが、術後の出血や創部感染、縫合不全、透析シャント閉塞などが主な件数となっています。
更新履歴
2020.09.28
初版