2021年3月1日制定
2025年2月25日改訂
済生会松阪総合病院 倫理委員会
(1)治療との兼ね合いを考えながら、生活の質が保たれるように配慮します。
(2)緩和ケアを含む総合的医療・ケアを提供します。
当院では、「人生の最終段階における医療・ケアの決定プロセスに関するガイドライン(厚生労働省)」を参考にし、患者の意思を尊重した医療・ケアを提供します。
(1)本人の意思が確認できる場合には、医師等の医療従事者から適切な情報の提供と説明がなされ、それに基づいて医療・ケアチームと十分な話し合いを行い、本人による意思決定を基本としたうえで、医療・ケアを進めていきます。
(2)本人の意思が確認できない場合には、次のような手順により、医療・ケアチームの中で慎重な判断を行います。
① 家族等が本人の意思を推定できる場合は、その推定意思を尊重し、本人にとって最善の方針をとることを基本とします。
② 家族等が本人の意思を推定できない場合は、本人にとって何が最善であるかについて家族等と十分に話し合い、本人にとって最善の方針をとることを基本とします。
③ 家族等がいない場合及び家族等が判断を医療・ケアチームに委ねる場合には、本人にとって最善の方針を医療・ケアチームで慎重に判断することを基本とします。
(1)患者の病歴、診断、予測される予後から治療目標を設定し、最も適切と思われる治療法を提示します。
(2)医療行為による利益を患者にもたらすことができるかを常に考え実行します。
(1)患者の治療に際して影響を及ぼす家族等の問題について考え医療生活に活かします。
(2)患者の経済状況や宗教に関して考慮します。
(3)患者に関する情報の守秘義務がありこれを遵守します。
(1)診療行為にかかる各関係法令、ガイドラインを遵守します。
(2)医療進歩に貢献する必要な研究の実施や倫理的な問題を含むと考えられる医療については倫理委員会に申請し、十分に審議された結果に従います。
(1)基本姿勢
患者本人に伝えることを原則とします。伝える際には、場所、タイミング、プライバシーや患者の心情および説明方法等に関して、患者の立場を十分に配慮します。
(2)家族等への対応
家族等には先に知らせないことを原則とします。但し、患者を最優先する方針に沿いながらも、家族等に患者の状況をできる限り知らせることは極めて重要と考えます。
(3)告知後の支援
告知による患者のストレス反応に留意しながら、患者の精神状態を深く配慮し支援します。
(1)医師は治療によって生じる患者の負担および利益を明確に提示します。その上で、望まない治療を拒否できる権利は患者に保障されています。
(2)治療拒否の尊重
患者の自己決定を尊重します。治療の強要を致しません。
(3)治療拒否の制限
感染症法令(結核予防法等)に基づき、治療拒否は制限される場合があります。
(1)当院「輸血療法マニュアル」に基づき、信教上の理由で輸血療法を拒否する患者であることが判明した場合、輸血療法と当院の方針について説明した上で、救命処置としてその必要性に理解を求め同意を得るよう努めます。
(2)同意を得られた場合には、通常の診療を実施します。
(3)当院では「相対的無輸血」での診療を原則とし、輸血療法が必要となる可能性が高く十分な説明をしても同意が得られない場合には、診療を引き受けない場合もあり得ます。
(4)救急診療等の緊急時に意識障害等のために患者本人の意思が確認できない場合は、
① 家族等から同意を得ます。
② 同意が得られない場合、医師法および医療法の理念に基づき輸血療法を含む最善の治療を行います。
通常、患者が心肺停止になった場合、医療者は直ちに心肺蘇生を行う。しかし、いかなる治療にも反応しないがんの終末期や多臓器不全など、病気に伴う自然経過の中で心肺停止となった際に「心肺蘇生を行わないでほしい」という希望がある場合、心肺蘇生法をしないで静かに自然経過の中で看取ることができる。この指示を DNAR という。
なお、当然のことであるが DNAR の希望後も、鎮痛・鎮静などの緩和ケア、抗生物質投与、抗がん剤投与、酸素吸入などの必要とされる治療・ケアは医師から患者に説明し、同意の上で行われる。
DNAR 指示が出されていれば、その後、病状が進行して心肺停止になった場合には、原則として心肺蘇生法は実施しないが、想定された理由以外による心肺停止で、蘇生の可能性がある場合には、心肺蘇生法を実施する。
(1)DNAR 指示のプロセスに関する指針
① DNAR 指示は、あらゆる治療を講じても回復の見込みがない、あるいは救命の可能性がない状態の患者が心肺停止した時に蘇生行為を行うか否かについての事前指示である。
② 心肺停止を「急変時」のような曖昧な語句にすり替えるべきではない。
③ 終末期医療は、終末期にある患者の総合的な医療の方針を患者の合意のもとに行う医療のことであり、DNAR 指示と同義ではない。
④ DNAR 方針が決定した後であっても、予期しない原因による突然の心肺停止の場合は、原則、蘇生行為を行う。
⑤ DNAR についての説明は、できる限り説明する医師と他の医療従事者が同席して行う。
⑥ DNAR に同意後も必要に応じて話し合うことができることを伝える。
母体保護法2条2項を遵守します。
(1)「身体的拘束最小化のための指針」を元に、緊急・やむを得ない場合を除き、身体的拘束をしない医療・看護の提供に努めます。
(2)身体拘束を行う場合は、当院の医療安全マニュアル「身体拘束に関するマニュアル」を遵守します。
当院は脳死後・心停止後の臓器提供が可能な施設です。なお、実施に関しては「臓器の移植に関する法律(法律第八十三号)」を遵守して行います。
(1)済生会松阪総合病院の職員として自覚を持ち、組織人・社会人としての責任を十分果たすべく良識ある行動を心がけ、誠実・公正に職務を遂行します。
(2)職員は、患者・利用者の基本権利と人間性を尊重し、思いやりのある対応に努めます。
(3)職員は、患者利用者との対等な立場での信頼関係を築き、且つ維持増進していきます。
(4)職員は、各職種に応じた医療・看護を提供するにあたって、患者・利用者が理解できる言葉で説明し、適正な選択ができるように支援します。
(5)職員はそれぞれの職場機能の維持・向上に努め、良質なチーム医療提供の観点に沿って、お互いに協力し合って業務を遂行します。
(6)医療関連のみならず必要な技術・知識の習得に努め、市民から信頼される質の高い医療の提供を心がけます。
(7)職員は、守秘義務を遵守し、職務上知り得た個人情報は在職中・退職後に関わらず口外しません。
(8)近隣の医療機関との交流を深め、互いに高め合える関係性の構築に努めます。
(9)後進指導に積極的に取り組み、ともに成長し合える組織環境と健全な病院経営を心がけます。