体外受精(IVF)とは、卵子と精子を体の外で受精させ、育った胚を子宮に戻す不妊治療の方法です。
自然妊娠や人工授精を試みても成立しなかった場合に、次の段階として行われます。
体外受精は、大きく分けて「採卵・採精」「受精・胚培養」「胚移植」「妊娠判定」の4つのステップで進みます。

体外受精は、女性の卵巣から卵子を取り出す「採卵」から始まります。
排卵誘発剤を使用し、複数の卵子を育てます。卵子を最終的に成熟させるために、「トリガー」と呼ばれる注射や点鼻薬を使用します。トリガーの種類は、患者さまの体の状態に合わせて医師と相談しながら決定します。
トリガー使用から約34~3 6時間後に採卵を行います。採卵は超音波で卵胞の位置を確認しながら、細い針を用いて卵子を回収します。
採卵後は、リカバリールームで1~2時間ほど安静にしていただき、その後、医師の診察を受けてご帰宅となります。
男性は、採卵と同じ日に「採精」を行います。病院内の採精室で採取する方法のほか、自宅で採取した精子をお持ちいただくことも可能です。事前に採精し、凍結保存した精子を使用する方法もあります。


採取した卵子と精子は、胚培養士が培養室で受精させます。受精方法には、一般体外受精と顕微授精(ICSI)の2種類があります。
一般体外受精は、卵子と精子を同じ容器に入れ、自然に受精させる方法です。
一方、顕微授精は、卵子に直接1匹の精子を注入する方法で、運動精子の数が少ない場合や、過去に一般体外受精を実施し、受精率が低かった場合に行われます。
受精後は、子宮内と同じような環境を保った培養器の中で、胚を最長6日間育てます。この期間を胚培養といいます。

十分に成長した胚を女性の子宮内に戻すことを「胚移植」といいます。
当院では胚を一度凍結保存し、次の生理周期以降に子宮の状態を整えてから、胚移植を行います。
凍結した胚を移植する場合には、自然周期とホルモン補充周期の2つの方法があります。
自然周期は、自然な排卵のタイミングに合わせて胚移植を行う方法です。使用する薬の量が少ないことがメリットですが、移植日の調整が難しく、通院回数が増えることがあります。
ホルモン補充周期は、ホルモン剤を使用して子宮内膜を整え、胚移植日を調整する方法です。スケジュール調整がしやすい反面、妊娠判定後もホルモン剤の使用を継続します。
なお、自然周期とホルモン補充周期で、妊娠率に大きな差はありません。
胚盤胞移植の場合、胚移植から7日前後に血液検査、約14日後に血液検査と超音波検査を行い、胎嚢の確認を行います。
着床が成立すると、hCG(ヒト絨毛性ゴナドトロピン)というホルモンが分泌されるため、この値を測定することで妊娠判定が可能です。
妊娠反応が陽性の場合は、妊娠を継続するための治療を行います。陰性の場合は、結果をふまえて次回の治療方針を検討します。
体外受精が適応となる方の例を挙げさせていただきます。
あくまでも一例ですので、来院して先生とご相談の上、治療に進ませていただきます。
不妊の原因は人それぞれ異なります。検査を行い、原因を見極めたうえで、その方に合った治療を選択することが大切です。