社会福祉法人 恩賜財団 済生会松阪総合病院
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ART生殖医療センター

子宮鏡下手術

粘膜下筋腫

子宮筋腫と妊娠への影響・子宮鏡下筋腫核出術

子宮筋腫は子宮の筋肉から発生する良性腫瘍で、30〜40代の女性に多くみられます。筋腫の位置や大きさによっては、着床環境を妨げ、不妊や流早産の原因となることがあります。

特に、以下のタイプは妊娠への影響が大きいとされています。

  • 粘膜下筋腫:子宮内膜側に発育し、着床障害や反復胚移植不成功の大きな要因となります。小さくても影響が出やすいのが特徴です。
  • 筋層内筋腫(子宮筋層内に発育するタイプ):子宮の血流や収縮に影響し、着床率の低下や妊娠継続の妨げになることがあります。

治療は、子宮腔内への突出率が高い粘膜下筋腫に対して子宮鏡下筋腫核出術を行います。子宮鏡で子宮内腔を直接観察しながら、筋腫のみを正確に切除する低侵襲の手術で、着床環境を整えることができます。体外受精を予定している場合は、胚移植のタイミングと手術時期を慎重に調整することが妊娠率向上に重要です。

筋腫の位置・大きさ・突出率、妊娠希望、一般不妊治療や体外受精のスケジュールを総合的に評価し、手術を実施しています。

子宮内癒着

子宮内癒着と子宮鏡下子宮内癒着剥離術

子宮内癒着(Asherman症候群)は、流産手術や子宮内膜炎などを契機に、子宮内腔の壁同士が癒着して狭くなる状態です。月経量の減少や無月経、不正出血を引き起こすほか、着床障害や反復流産の原因となる重要な疾患です。子宮内腔が癒着すると、受精卵が着床できるスペースが減少し、子宮内膜の再生も妨げられるため、妊娠率の低下につながります。

診断には子宮鏡検査が最も有効で、癒着の範囲や厚みを直接確認できます。当センターでは、子宮鏡下に癒着を丁寧に切開し、正常な子宮内腔を再形成する子宮内癒着剥離術を行っています。子宮内膜をできるだけ温存しながら剥離することで、子宮内環境の回復を図ります。

術後は再癒着を防ぐため、ホルモン療の併用を行い、着床環境の改善と妊娠率向上を整えています。

子宮内膜ポリープ

子宮内膜ポリープは、子宮内膜が局所的に増殖してできる良性の隆起で、数ミリから数センチまでさまざまな大きさがあります。多くは自覚症状が乏しいものの、子宮内腔に存在すると着床の妨げとなることがあります。そのため、不妊や反復胚移植不成功の一因となることが知られています。

体外受精を予定している場合でも、ポリープが残存していると胚移植後の妊娠率が低下することが報告されており、治療介入により妊娠率が改善する可能性があります。

治療には、子宮鏡下子宮内膜ポリープ切除術が最も有効です。子宮鏡で子宮内腔を直接観察しながら、ポリープのみを正確に切除する低侵襲の手術で着床環境を整えることができます。

当センターでは、ポリープの大きさ・数・位置、妊娠希望、体外受精のスケジュールを総合的に評価し、最適なタイミングで子宮鏡手術を計画・実施しています。

子宮中隔

中隔子宮と子宮鏡下子宮中隔切除術

中隔子宮は、子宮内腔が膜状の隔壁(中隔)で仕切られる先天的子宮奇形です。中隔部分は血流が乏しく、受精卵が着床しても発育が進みにくいため、流産や着床不全、反復胚移植不成功の原因となる重要な要因とされています。

診断には子宮鏡検査やMRIが有効で、子宮内腔の形態や中隔の厚みを正確に評価できます。当センターでは、子宮鏡下に中隔を安全に切除し、正常な子宮内腔へ整える子宮中隔切除術を行っています。術中X線撮影を併用し、子宮内腔の形状を確認しながら、より安全で正確な切除を実施します。

術後は子宮内腔の再評価を行い、再癒着予防の管理を丁寧に行うことで、着床環境の改善と妊娠継続率の向上を目指します。


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