FT(卵管鏡下卵管形成術)は、子宮卵管造影検査などで、卵管が狭くなっている「卵管狭窄」や、卵管が詰まっている「卵管閉塞」が疑われる方に対して行う日帰り手術です。
卵管は、卵子と精子が出会い、受精が起こるために大切な通り道です。そのため、卵管に通過障害があると、排卵や精子の状態に大きな問題がなくても妊娠しにくくなることがあります。
FTは、子宮卵管造影検査などで卵管狭窄や卵管閉塞が疑われる方に対して行う治療です。
他院で子宮卵管造影検査を受けられている方も、検査結果をお持ちいただければ、FTのみ当院で行うことが可能です。
FTとは、卵管鏡という直径約1mmの細い内視鏡を使い、卵管の内側を確認しながら、狭くなっている部分や詰まっている部分を広げる手術です。
卵管鏡の周囲には、やわらかいバルーンカテーテルがついています。このカテーテルを子宮側から卵管へ少しずつ進め、バルーンの力で卵管の通り道を広げていきます。
FTは、卵管を物理的に広げて通過性の改善を目指る治療です。ただし、効果が永久に続く治療ではないため、術後は妊娠しやすい時期を逃さず、タイミング療法や人工授精へ進むことが大切です。

①内視鏡(卵管鏡)を内蔵した細い管(カテーテル)を使用します

②カテーテルを膣から挿入し卵管に近づけます


③カテーテルの風船(バルーン)を膨らませて卵管の中へバルーンを進め、
治療する部分を広げます。

④最後に通過障害が改善したことを卵管鏡で確認します
手術時間は15〜45分程度です。FTは日帰りで行うことができ、術後に状態を確認したうえでご帰宅いただきます。
手術後は院内でしばらく休んでいただき、麻酔からの回復や体調を確認します。気分不良や痛みがある場合には、必要に応じて休憩や処置を行います。
当院では、点滴から静脈麻酔薬を使用してFTを行います。眠っている間に手術が終わるため、痛みや不安をできるだけ少なく受けていただけるよう配慮しています。
患者さんごとに排卵時期が異なることと、手術日の制約があるため、場合によりホルモン剤等で調整し、手術に適した時期を確認し手術日を決めます。
手術前に妊娠が確認された場合は、手術はキャンセルとなります。
FT後に妊娠された方の多くは術後早期に妊娠されており、特に術後6か月程度は妊娠しやすい時期と考えています。
FT後は、妊娠しやすい時期を逃さないことが大切です。特に術後早期は、診察で排卵の時期を確認しながら、タイミング療法や人工授精を進めていきます。
FTは卵管の通り道を改善する治療ですが、手術を受けることで妊娠が保証されるわけではありません。
麻酔薬が体質に合わない場合、アレルギーや気分不良が生じる可能性があります。
また、まれに卵管穿孔を起こすことがありますが、多くの場合は経過観察で対応します。
術後には、腹痛、少量の出血、感染などが起こる可能性があります。強い痛みや発熱、出血が続く場合には、速やかにご相談ください。
FTは健康保険が適用される手術です。高額療養費制度を利用することで、自己負担額を軽減できる場合があります。
また、不妊治療を始める前に民間の医療保険に加入されている場合、FTが「手術給付金」の対象となることがあります。ご加入中の生命保険、団体保険、共済保険などに一度ご確認ください。
卵管鏡下卵管形成術(FT)は健康保険適用の手術ですが、保険点数が高いため、通常は自己負担にて、片側の治療で約14万円、両側の治療で約28万円の自己負担がかかります。
しかし、FTは高額療養費制度の対象となりますので、マイナンバーカードを受付でご提示いただくことで、FTのお支払いを、高額療養費制度を反映した金額で済ませることができます。高額療養費制度では、一定額までは通常通り3割負担となりますが、限度額を超えた部分については、自己負担額が調整されます。
年収によって限度額は替わりますが、ここでは一般的な会社員の方を想定し、年収400万~750万円程度の方を例とすると、限度額を超えた分は高額療養費として支給され、実際の自己負担額は片側の治療:約8万2000円、両側の治療:約8万7000円程度となります。

FTは、民間保険(生命保険等)の手術給付金の対象となる場合があります。
診断書の申請は、保険会社発行の診断書をご提示ください。
書類作成料として、7,700円頂戴いたします。
FTをご希望の方は、ART・生殖医療センターへお電話いただき、ご予約ください。
窓 口
ART・生殖医療センター
受付日時:月曜日~金曜日 9:00~16:30(土、日、祝日、年末年始を除く)
TEL:0598-52-6025(直通)